買い物に出た
知り合いがいた
臨月だった
角で別れた
日は春めいて
手持ちは少し
窓に映った
寝癖が揺れる

すれ違う飼い犬の乾いてる鼻先
意味なく背筋を伸ばして歩く

信号を待つ
選挙が近い
事故の現場だ
ゴミを出さなきゃ
風は冷たく
右肩に張り
並木の枝に
若い芽がある

珍しく音楽をかけてない店先
誰かが遠くで布団を叩く

ちょっとそこまで
どこのそこまで?
底の底まで
散歩がてらに

手ぶらで帰る
意外と高い
不良が通る
半端はしない
ピザ屋のバイク
人生は旅
角の空き家が
さら地になった

毛の脱けた野良猫の馬鹿にした眼差し
真似して背中を丸めて見せる

まわり道する
破れた幟
まず馬を射よ
ミニチュア緑地
子供の補助輪
戦隊のキャラ
知らない内に
潰れた床屋

いつからか音楽が途絶えてる身の内
誰かの遠くの布団が響く

ちょっとそこまで
どこのそこまで?
底の底まで
散歩がてらに

もっとそこまで
底の裏まで
裏の向こうへ
突き抜けたくて

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