【沼島の盆踊り】
兵庫県南あわじ市、淡路島の隣に位置する「沼島(ぬしま)」は、神話の世界では国生みの舞台、神様がはじめて造った島とも言われています。そんな、神秘的な島で行われる小さな盆踊りにお邪魔しました。
神戸から途中アクシデントを挟みながら3つほどのバスを乗り継いで、最後は船にて到着。周囲9.53kmの小さな島で、歩けば4時間ほどで一周できるようです。そんなミニサイズな土地ですが、お盆期間は5つの地域に別れ、6夜に渡って盆踊りが開催されるというホットな盆踊りスポット。
日程の関係で今回お邪魔したのは「南区」の盆踊り。踊りや歌はどの地域も共通のようですが、運営されているのはそれぞれの地区の人々。この期間は島の主要産業である漁が一斉にお休みとなって、住民が一丸となって祭りを運営します。というわけで、輪の中にいるのはもちろん地元民ばかり。そして、おそらくこの時期に帰省してきた元住民の人々。親戚の集まりのような、和やかな雰囲気で祭りは進行します。しばらく様子を伺いながら、輪の中へ。
この地域特有なのか、ヤグラの上の音頭取りは傘を手にして生歌を披露します。この傘は、マイクがなかった昔に、音頭取りの声を反響させる役割を果たしたなど、諸説ある模様。メロディーや節は一貫してますが、音頭取りは次々と交代していって、様々な口説き(物語形式の歌)を歌い上げます。音頭取りを勤めるのは、基本的にはその地区の人+他地区からも応援に駆けつけるとのこと。老若男女問わず、ヤグラの上で美声を競わせています。
踊りはというと、手の動きはほとんど省略されていて、基本となるのは足のステップ。右へ左へと回転しながら行きつ戻りつで、ほとんど輪は進行しません。歌の雰囲気や、踊りの所作からして、彷彿とさせるのは東京の「佃島の念仏踊り」。素朴で、陶酔感のあるせいか、何時間でも踊れる感じ。というか、夜の10時から気づけば3〜4時間くらいぶっ通しで踊っていました。
祭りのあとは、「ラーメン食べなよ!」と地元の人に誘われて、詰所のような場所でカップラーメンをご馳走になりました。「誰の親戚?」「どこから来たの?」「どこに情報載ってたの?」と質問攻めに......。
バスが少ないので、翌朝は早々に出立。時間があれば他の地区の盆踊りに参加したり、ゆっくりと観光もしたかったのですが......。春にはだんじりで海に突っ込む荒々しい祭りもあるようで、機会があれば再訪したい島でした。

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